Quantcast
Channel: ある日の午後。本を読んでいたら。 »小説時
Viewing all articles
Browse latest Browse all 11

会議室の企業戦士

$
0
0

小説を書いている友人の話です。次に書く小説のネタは何にしようかというときに、いっしょにファミレスで会って話しをしました。
私たちの目的は、お茶を飲んだりケーキを食べながら日頃のエピソードをたらたらと話すということです。特に相談事があっても、明確な答えは必要としません。ただ、お互いの気持ちを聞いてあげること、そうだね、って言ってあげることだけで十分なのです。
ファミレスの隣の席は、男性の3人グループでした。お昼時ということとスーツを着ているということからおそらく彼らはサラリーマンでしょう。日替わりランチを注文すると、「課長の言うこともわかるけれども」と話を始めたのでした。私と友人は、その男性の口調の勢いに負けて一瞬黙り込み話を聞いてしまいました。
男性は、ランチを食べながらも持論を繰り広げ、あとの2人は時々「わかるけれども、それはこう」とかなだめながらも聞いてあげるというようなスタンスでした。20分ほどで食べ終えると、最後にコーヒーを一杯飲んで、さっと立ち上がりました。ファミレスが会議室になったようでした。
友人はすぐにメモ帳を取り出して、今の3人組の会話を書き留めました。次に書く小説は、企業ものにしようと決めたそうです。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 11

Latest Images

Trending Articles





Latest Images